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番外編 やりたかった三つのこと

「可愛いね、未知は。普段よりもっと可愛いらしく見えるよ。頬も真っ赤だし」 からかうように言われ、 「もう、遥琉さんたら……髪は寝癖で跳ねまくっているし肌はかさかさだし。どこが可愛いの」 ますます赤くなりながら言い返したけど、彼は僕の反応を見て楽しんでいるようだった。 「そんなに可愛いと、何度でもキスしたくなるだろう」 艶めかしく囁かれ、再びキスをされた。 「んっ……」 挿し入れってきた舌に口内を探られ、舌に舌を絡められねぶられれば、背筋がぞくぞくと震える。軽く触れ合うだけで頭のなかが真っ白になって、より深く濃くなると体が蕩けてしまいそうになる。 彼の広くて逞しい肩にしがみつき、彼の温もりと心地よさに、知らずにうっとりとした息を漏らすと、口付けを繰り返していた彼にくすりと笑われた。 「そんな顔をされたらキス以上のことをしたくなるだろう」 「そういう訳じゃあ……」 慌てて首を横に振ったけど、 「陽葵が起きるまできみを離さない。それでいいな」 お姫様だっこされ寝室に移動すると、彼に強く抱き締められ、陽葵が目を覚ますまで本当に離してもらえなかった。

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