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番外編 やりたかった三つのこと
「ごめんなさい橘さん」
「未知さんはなにも悪くありません。誰かさんが寝せてくれないから。たく、もう、いい年して何をしているんだか」
寝ぼけてぼおっーとしてて、いつもなら絶対に躓かない居間と台所のちょっとした段差に躓いて転んでしまった。
転倒したときに手をついたみたいで、すぐに冷やしてもらったけどなかなか手首の腫れが引かなかった。
橘さんが南先生に事情を説明してくれて。若先生が勤務するH総合病院の整形外科を念のため受診することになった。
彼は橘さんとお祖父ちゃんと根岸さんから大目玉を食らった。
「ごめんなさい遥琉さん、僕がおっちょこちょいだから」
「未知はなにも悪くない。だから謝るな。若先生が出勤前に保険証を取りに来る。人様に迷惑を掛けないようになるべく待ち時間を少なくしよう。俺と弓削とウーが付き添う。子どもたちはみんなでみてるから安心しろ。陽葵におっぱいをあげて寝かし付けたらすぐに出掛けよう」
「うん、分かった」
そんなにたいしたことないから、大袈裟にしないで。ほっといてもそのうち良くなるから。そう言ったら彼に、もっと自分の体を大切にしてくれって、めちゃめちゃ怒られてしまった。
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