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番外編 やりたかった三つのこと

病院に到着したのはそれから一時間後のことだった。玄関ドアの前に車を横付けにすると、先に到着していた弓削さんとウーさんが周囲を警戒しながらドアを開けてくれた。 「姐さん」 降りようとしたら弓削さんに止められた。 鋭い視線を送る先にいたのは車椅子に乗る若い男性だった。男性は 見られていることに気付くと慌てて顔を逸らし何事もなかったようにハンドリムをこいでエレベーターへと向かった。 弓削さんが手のなかに隠したマイクに向かって短くなにかを話し掛けた。 「オヤジ、受付は終わっているのでこの奥にある整形外科へまっすぐ向かいます」 「おぅ分かった。若先生に見付からないようにしないとな。間違いなくまた暴走するから」 彼がちらっとウーさんを見上げると「シェ シェ」と軽く頭を下げて髪を掻いていた。 「公私混同は良くないが、新婚なんだ。積もる話しもある。陽彩にも会いだろう。見付かったら見付かったでそのときに考えればいい」 弓削さんが然り気無くフォローしてくれた。

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