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番外編 真打ち登場
ここからだと弓削さんたちの背中しか見えなくて、何度かお尻を浮かせていたら、
「ふたりともヘルメットを外すのを頑なに拒んでいる。膝の上に座るか?そのほうがよく見えるぞ」
「大丈夫です」
「遠慮するな」
「遠慮してません」
「今さら恥ずかしがることでもあるまい。それともあれか、俺の膝の上には座りたくないとか」
「そんなことないよ」
「シートベルトを外してやるからこっちにおいで」
彼の長い腕が腰に回ってきた。
「遥琉さん、ちょっと待って」
臀部を然り気無く撫でられ、変な声が出そうになり慌てて口を両手で押さえた。
「茨木から聞いてはいたが、オヤジと姐さんは本当に仲がいい」
「だろう。どんなに緊迫した状況でもイチャイチャ出来るんだから。ふたりとも肝っ玉が座っている。さすがは俺たちのオヤジと姐さんだ。壱、いつでも発車出来るようにアクセルに足を置け。真打ちがようやくお出ましになった」
蜂谷さんが鋭い視線で睨み付けたのはちょうど駐車場に入ってきた白いワゴン車だった。脇にはmiki生花店と書かれてあった。
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