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番外編哀しきひと

スマホを向けられた青空さん。 「撮るな」 怪訝そうな表情を浮かべた。 「なんで?可愛いのに。尊が泣いて喜ぶぞ」 「しかしまぁ、たまげだ。ここまで姐さんにソックリだとはな」 弓削さんと鞠家さんが僕に変身した青空さんを見て度肝を抜かれていた。 「五分後に姐さんも移動します」 ナオさんと青空さんは厳重な警備をつけ表から堂々と。僕たちは蜂谷さんとウーさんと建物のすぐ後ろにある駐車場に徒歩で移動することになった。壱さんが車で待機してくれている。 先ほどの和やかムードから一転。 みんな臨戦態勢に入り、ぴりぴりとした張り詰めた空気が流れていた。 「弓削さんひとつ頼みがある」 「なんだ青空⁉」 「雑魚なら俺一人でも片付けられる。フーもいるし心強い。だから病院に着いたらすぐ未知さんのところに向かって欲しい」 「分かったよ。青空、フー、くれぐれも気を付けろよ」 「俺には尊と一緒に暮らす夢がある。カシラと紗智さん、橘さんと柚原さん、鳥飼さんとフーみたいなバカップルになる夢もある。オヤジと未知さんみたくお互いを思いやるラブラブカップルになる夢もある。だから大丈夫」 「そうか分かったよ」 弓削さんがクスッと笑った。

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