2008 / 3281

番外編ワンオウ

「青空いつまでその格好でいるつもりだ」 「ナオは信孝と未知が側にいたら安心する。怖い思いをしたんだ。俺の格好でいたら思い出して泣く。怯える。だから、この格好のほうがまだいい」 「そうか。なるほどな。でも青空、足がスースーして、そわそわして落ち着かないじゃないか?」 「大丈夫。もう慣れた」 「青空、余計なお世話かも知れないが、姐さんはそんなおっかねぇ顔はしない。もうちょい笑っていたほうが可愛いぞ。ほら見てみろ、若い連中がみんな怖がってる」 チラッと横目で若い衆を見る青空さん。ゾクッと身をすくませ、真っ青になって震え上がり沈黙する若い衆を不思議そうに眺めていた。 「まさに猫の目に射すくめられた鼠だな」 これには弓削さんも苦笑いするしかなかったみたいだった。 玄関のドアを静かに開けると、ママ~~太惺と心望がニコニコの笑顔であんよしてきた。 「ふたりともただいま。いっぱいお昼寝出来た?もう少しでお兄ちゃんたち帰ってくるから待ってようね」 一太と奏音くんは彼と鞠家さんたちが小学校に迎えに行ってくれた。何事もなければいいけど。心配で、不安で、いてもたってもいられなかった。

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