2016 / 3282
番外編 彼と久し振りのお風呂
「未知、夕ごはんを食べてきたらどうだ?少しは食べないと体力が持たないぞ。陽葵の寝かし付けは任せろ」
「ありがとう遥琉さん」
布団の上に寝せるとふぇ~んふぇ~んとと泣きぐずる陽葵。横に抱っこしてあやしていたら、彼が寝室に入ってきた。
「陽葵、少しはママを休ませてやろうな。パパっておいで」
彼が陽葵をそっと抱き上げてくれた。
「遥琉さん、急いでご飯食べてくるね」
「急いで食べてもし喉に詰まらせたら大変だ。ゆっくり食べてこい」
「うん。ありがとう」
「おぅ」
ドアを閉めようとしたら、
「あ、そうだ未知」
彼に呼び止められ振り返ると、
「今日から風呂に入ってもいいんだよな?」
「うん。南先生の許可は下りたよ」
「そうか。じゃあ、一緒に入ろう」
「え?」
心音がドキッと一気に跳ね上がった。
「久し振りの風呂だ。隅から隅まで綺麗に体を洗ってやる」
「あ、でも………」
体をもじもじと揺らした。
「きみの体を見て俺が幻滅するとでも思ったか?未知は未知だろう」
「ありがとう遥琉さん」
頬を赤めて答えると、
「子どもたちが寝静まってからにしてくださいね。柚原さんを呼んでこないといけませんね」
橘さんの声が聞こえてきたからギクッとした。
「いつからいたんだ?」
「いつから?ずっといましたよ」
慌てふためく彼とは対照的に橘さんは怖いくらい落ち着いていた。
ともだちにシェアしよう!