2021 / 3282

番外編 彼と久しぶりのお風呂

「ブレーカーが落ちたんだろう。おかしいな、そんなに大量の電流を使っていないはずだが……」 あたりはまったくの闇になってしまった。お互いの顔もよく見えない。水面が揺れ、ちゃぷちゃぷという音だけが響いていた。 「橘、柚原、懐中電灯は?」 「柚原さんが配電盤の確認に行ってます。懐中電灯を持ってきますので少しお待ちください」 「なるべく早く頼む」 彼がお湯を手で掬い肩にそっとかけてくれた。 「寒くないか?」 「うん、大丈夫」 こくりと頷いた。 「怖くないか?」 「遥琉さんがいるから大丈夫だよ」 子どもたちがこのまま寝ててくれることを祈った。 「未知、待て。腰を下ろすな」 「下してないよ」 「じゃあなんで」 偶然か、必然か、吸い寄せられるように腰が合い、彼が狼狽えたような声を上げた。 「ごめん未知。留めることが出来ない」 先っぽだけ挿っていた彼の屹立が柔襞を押し広げ、一気に蜜口を穿った。 「ひぁっ……ぁ!」 最奥まで達した衝撃に思わず背中を反らし体を強張らせた。濡れた髪が湯気で左右に揺れる。 「久し振りだからかな、やっぱりキツイな。未知、大丈夫か?」 落ちないように彼の肩にぎゅっとしがみつくと自重で結合がさらに深くなってしまった。 しかも間の悪いことにこのタイミングで浴室の明かりがパッとついてしまった。

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