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番外編 彼と久しぶりのお風呂

「頑張ったご褒美もたまには必要ですからね。咎めはしませんよ。未知さん大丈夫ですか?」 額に濡れたタオルがそっと置かれた。冷たくて気持ちいい。 「橘さん有り難う」 「未知さんが無事でなによりです」 しだいに頭がボーっとしてきて。彼と繋がっているからきっと身体が熱いんだ。顔が火照っているんだと思っていたけど、そのうち息苦しくなってきて、気付いたときには彼の膝の上じゃなく布団の上に寝かされていた。 どうやら逆上せたみたいだった。 「ごめんね遥琉さん」 「俺のほうこそごめんな」 いちいち謝らなくてもいいのに。 目を覚ました陽葵を抱っこしあやしてくれていた。男の色香を漂わせた精悍な顔じゃなく、いつもの優しいパパの顔だ。 紗智さんと那和さんは、眠気眼を擦りながらも夜泣き真っ最中の太惺と心望をあやしてくれている。 「誰だよこんな真夜中に分電盤のブレーカーを三回も落としたはた迷惑なヤツは」 配電盤に異常はなかった。各フロアに電気を分配する分電盤が収納されている金属のキャビネットが何者かによって開けられていたみたいで、柚原さんと鞠家さんが防犯カメラの映像を急いで確認していた。

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