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番外編 森崎を死なせるな

「森崎、福田の倅は見付かったか?」 柚原さんがスマホに話し掛けた。 ーハチに協力してもらい探してはいるんだが……ー 「そうか。お前の舎弟によく似た男がブレーカーを落とし悪戯している。安眠妨害だ。即刻止めさせろ」 言葉を濁した森崎さんに、鞠家さんがドスのきいた低い声で脅しつけた。 ーこの声は鞠家か?若頭としてますます箔が付いたんじゃないのか?痺れるくらいカッコいい低音ボイスだな。カミさんが二度惚れするぞー 「そうか、照れるな」 ーマル暴のデカだったときより生き生きしている。昔は死んだ魚のような目をしていたが、今は輝いて見える。表情も明るくなり、ますますいい男になったー 「褒めてもなにもでねぇぞ」 森崎さんに褒められまんざらでもないのか照れ笑いを浮かべる鞠家さん。 ー柚原、きみもだ。うだつのあがらない恐妻家の昼行灯の汚名はこれで返上だな。最後に卯月さんと、お前らのツラを拝めて良かったー 森崎さんのその言葉を聞くなり、柚原さんと鞠家さんの表情が険しくなった。 「森崎待て!」 「早まるな!」 「ハチ、ヤス、誰でもいい。森崎を止めろ!絶対に死なせるな!死んで詫びようなんて絶対に許さないぞ!」 ふたりほぼ同時に叫んだ。

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