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番外編 夫婦で過ごす甘いひととき
「体……大丈夫か?」
「うん。ごめんね、心配かけて」
「ごめんは俺のほうだ。未知に無理をさせちゃいけない。逆上せる前に上がらないと、頭では分かっていたんだけど、歯止めがきかなかった。いつものように暴走してしまった。ごめんな未知」
慈しむように髪を優しく撫でてくれる彼の手は大きな安息感を与えてくれる。
温かくて、心地よくて。首を横に振りながら彼の服にぎゅっとしがみついた。
「今となっては言い訳がましいが、挿れるつもりはなかったんだ」
「だって、あれはたまたま偶然だもの。遥琉さん有り難う」
顔を見上げてにこっと微笑んだ。
「どうした藪から棒に」
「自分の体に自信がなくて。遥琉さんに愛想をつかれるんじゃないか、幻滅して嫌われるんじゃないか、それが心配だったの。だからママになっても女性として見てもらえたことがすごく嬉しかった」
「そんな小さいことで俺が未知を嫌いになる訳ないだろう。未知は未知だろう。いちいち気にするんな。それよりも未知」
彼の目が興奮して輝いていた。
「未知の胎内から引き抜こうとしたら、行かないでって、ぎゅうぎゅうに締め付けてくるんだ。抜くの大変だったんだぞ」
「いやだ、もう。思い出させないで」
「何で?」
「なんでって分かってる癖に。遥琉さんの意地悪」
浴室で過ごした甘いひとときを思い出し、顔を赤らめてうつむきもじもじした。
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