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番外編 青空さん、とんだ災難に巻き込まれる
翌日。いつものように朝早く組事務所に顔を出した弓削さんと蜂谷さん。明かりを付けると、誰もいないはずの応接間のソファーに人がいたから腰を抜かすくらい驚いたみたい。
憮然とした表情で、全く微動だにせず、まるでお地蔵さんみたく前をまっすぐ見据え座っていたのは青空さんだった。
「取り敢えず着替えろ。服が破けているぞ。それに、あちこちキスマークだらけじゃねぇか」
「森崎は酔うとキス魔になるからな」
「森崎はあぁ見えて寂しがり屋なんだ。それにバカがみっつつくらい真面目だからな。ストレスを溜めやすいんだよ」
森崎さんは青空さんの膝枕で横になり、体を丸くし、幸せそうな寝顔ですやすやと眠っていた。
弓削さんが森崎さんの頭を支え、蜂谷さんが足を持ち上げ移動しようとしたら、「マイハニ~」青空さんの腰にしがみつき、服をチューチューと吸いはじめた。これには弓削さんも蜂谷さんも笑うしかなかったみたい。
「青空、ウーを呼んだ。もうちょい辛抱出来るか⁉」
「……シャワー……浴びたい。寝たい」
それまで一言も発しなかった青空さんがはじめて口を開いた。
「もしかして一睡もせず相手をさせられていたのか?」
青空さんがこくりと頷いた。
「ごめんな」
「助けてやれなくて悪かったな」
弓削さんと蜂谷さんが青空さんに頭を下げ謝った。
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