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番外編 青空さん、災難に巻き込まれる
もう大丈夫だと蜂谷さんに言われても青空さんは警戒してドアをなかなか開けなかった。
「なんでいるんだ」
蜂谷さんの背後に立つ森崎さんを見付けると眉を吊り上げ睨み付けた。
「昨夜のことを謝ろうと思って。ここじゃあアレだから、中に入ってもいいかな?」
「昼ごはんまだ」
「食べながらでいい」
森崎さんが緊張した面持ちで部屋に入ってきた。
「未知さん、ナオさん、女子会の邪魔をしてすまない」
「僕は大丈夫です。でも、ナオさんが……」
ナオさんはまだ震えていた。
「怖い目に遭ったんだ。無理もない。鷲崎組は昔の楮山組と同じだ。一枚岩じゃない。九条組の幹部だった連中の中にはオヤジに不満を抱いているものも少なからずいることは確かだ」
「じゃあその人たちが朔久さんを利用して今回のことを企てたということですか⁉」
「断定は出来ないがほぼ間違いない。ブレーカーを落としたのも朔久の弾よけの男だ。未知さんを助けに来たつもりが、逆に迷惑を掛けてしまいすまなかった。青空、きみにも不快な思いをさせてしまいすまなかった」
森崎さんが頭を下げた。
「森崎は真面目過ぎるの。だから、ストレスが溜まるんでしょう。適度に発散させないと参っちゃうよ。まずは腹ごしらえする」
那和さんが森崎さんにサンドイッチを渡した。
「有り難う那和」
「先に言っとくけど、俺、こう見えても人妻だからね。お触り禁止だからね」
「分かってるよ」
「本当に分かってる?」
「あぁ信じてくれ」
森崎さんは苦笑いしながらサンドイッチを頬張った。
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