2045 / 3282

番外編兄ちゃんhelp!

「じゃあこうしよう。先に福田の倅を捕まえたほうが久弥と付き合う。それならどうだ?文句あるまい」 「よし、受けて立つ。オッサンあとで後悔しても知らねえぞ」 買い言葉に売り言葉。 久弥さんの気持ちは置いてきぼりのまま。 ふたりはしばらくの間睨み合ったあと、ぷいっと顔を逸らし、どこかに行ってしまった。 「たく、人騒がせな連中だ。おぃ、大丈夫か?」 「腰が痛くて……あ、でも大丈夫だから」 ふらふらと足取りが覚束ない。 「どこが大丈夫なんだ。顔色も悪いぞ。鞠家、斉木先生を呼べ」 「卯月さん、本当に大丈夫だから」 久弥さんが慌てて彼の袖を掴み首を横に振った。 「おおかた若い獣が満足するまで一晩中相手させられたんだろう。ほら、取り敢えず水飲め。キャップは開けてある」 蜂谷さんがペットボトルを手渡した。 「有り難うございます」 彼と蜂谷さんで久弥さんの体を支えソファーに座らせると、 「痛っ!」 顔を歪めた。 「ほら、クッション。ハートの形だがないよりましだろう」 鞠家さんがナオさんの家から急いで借りてきてくれた。

ともだちにシェアしよう!