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番外編 兄ちゃんHELP!!

「姐さん、しっかり掴まっていてください」 途中で弓削さんがおんぶしてくれた。広くて大きな背中はぽかぽかとひだまりのように温かくて。 弓削さんがいなくなってしまう寂しさから、ますます涙が止まらなくなってしまった。 「遠慮せずに涙を拭いて下さい。さっき久弥に汗臭いって言われてシャツを交換しておいて良かった」 「有り難う弓削さん」 鼻をずずっと啜っていたら、弓削さんにくすっと笑われてしまった。 「有り難うは俺のほうですよ。さっき、俺の名前も呼んでくれたでしょう?涙が出るくらい嬉しかったです」 「あの……弓削さん」 「なんですか?」 「弓削さんの方言が久し振りに聞きたいなって思ったんです。あ、でも、やっぱりいいです」 首を横に振ったら、 「姐さんをおんぶしてるのオヤジさ見られだら間違いなぐ半殺しにされます」 照れながらも方言で話してくれた。 「斉木先生が何を言ってるかいまだによく分からないけど、飾らないおっとりとした人柄と素朴で自然な雰囲気にほのぼのするんです。地元を愛しているんだなってすごく伝わってくるんです」 「姐さんがそう思っているなら、完全復帰したら俺も方言で話そうかな?橘、怒るな。怒っても仕方がねぇ。相手にするだげ無駄だ」 橘さんの名前が急に出てきたから驚いた。

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