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番外編 兄ちゃんHELP!!

「りんりんの頭にまた角が生えるな」 はぁ~と深いため息をつく彼。 「おっかねぇツラして、ソロバンを握り締め、ぶつぶつ言いながらパソコンと睨めっこしてんだぞ。マジで怖い」 「でも鳥飼さんが目を光らせてくれるから、無駄遣いが減ったって橘さんが言ってたよ」 「それもそうだな」 逞しい両腕が腰に回ってきて。そっと抱き寄せられた。 「こんなにも一日が長いとは……未知ごめんな。手は大丈夫か?」 「うん」 頷くと、ほっと胸を撫で下ろしながら、髪をぽんぽんと撫でてくれた。 「あ、そうだ」 彼が何かを思い出した。 「いやな、柚原が本気で怒るのを久し振りで見たからさ、驚いた。一段抜かしながら、目にも留まらぬ速さで階段を一気に九階まで駆け上がって行ったらしい。あまりの速さに青空も他の若い衆も誰ひとりついていけなかったみたいだ。橘も柚原も娘と孫のことになると人格が変わるからな。絶対に敵に回してはいけない。誉のヤツ、少しは学んだんじゃないかな」 彼が微笑みながら静かに顔を寄せてきた。そっと口付けられ、潤んだ目で彼を見つめると、愛してるよと伝えながらぎゅっと抱き締められた。

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