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番外編 兄ちゃんHELP!!
橘さんがぷぷっと思い出し笑いをした。
「くさしは福島の方言で怠け者の意味です。未知さんの口からまさかくさしという言葉が出てくるとは思わなかったので」
「そうなんですか?てっきり標準語だと思ってました」
橘さんと目が合うなり、自然と笑顔が溢れた。
「未知さん、お腹を冷すと大変です。早く着替えてください」
「はい」陽葵をシーツの上に置こうとした途端、オギャー!と泣き出した。
「ひまちゃんおいで」
橘さんが抱き上げようとしたら、
「ひまちゃん、今行くよ‼」
柚原さんがすっ飛んできた。お風呂上がりみたいで、スエット姿で首にタオルを掛けていた。
「ぽちゃぽちゃ入りたいか?だよな。お風呂まだだったし、よし、ぱぱたんが入れてあげる。ひまちゃんが起きるかも知れないと思って、ぱぱたん、着替えを準備してずっと待ってたんだ。暖房入れっぱなしにしておいて良かった」
ぽか~んと呆気に取られているうち、陽葵をそっと抱き上げるとお風呂へと連れて行ってくれた。
「ひまちゃんはパパが三人もいて果報者ですね」
「はい。陽葵だけじゃなく、一太や遥香や太惺や心望、それに奏音くん。みんなに可愛がってもらって幸せ者です」
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