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番外編 兄ちゃんhelp‼

「あれ?遥琉さんは?」 あたりをキョロキョロと見回していたら、 「緊急事態が起きたと組事務所に向かいましたよ。どうしましたか?何か気になることでもありましたか?」 「いえ、何でもないです」 慌てて首を横に振った。 まさかアレを持ったままとか……ないよね?こうなったら遥琉さんを信じるしかない。 「あっ、そうだ。お兄ちゃんからメールが来たんです」 すっかり忘れるところだった。 「年齢と背格好からして朔久さんと推察される身元不明の若い男性が、鷲崎組の事務所の前で倒れているのが発見されたそうです。集団で激しい暴行を受けたんでしょうね。顔は判別出来ないくらい変形しぱんぱんに腫れ上がっているそうです」 「だから鷲崎さんから彼に電話があったんだ」 「知らないひとがみたら、ヤクザ同士の喧嘩。小競り合いにしか見えませんからね」 「鷲崎さんに罪を着せようとしたのかな?」 「おそらく」 かたんとドアが開いて、一太が顔を出した。 「ひまちゃんとぱぱたんが、おふろでままたんってよんでるよ」 「そうですか。一太くんありがとう」 「あとオムツもってきてっていってた」 「分かりました」 「なんかたいへんなことになってるね。ママ、大丈夫だった?したじきにならなかった?」 「うん大丈夫だったよ」 「いちた、かたづけてつだうから。かたづけるときいって。えんりょしちゃだめだよ」 「ありがとう一太。ママ助かるよ」 恥ずかしそうにえへっと笑うと、橘さんからオムツを受け取りバタバタと元気に走っていった。

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