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番外編遥琉さん、イチャイチャしている場合じゃあないってば

ピンポンとチャイムが鳴ったような気がした。 「誰でしょうねこんな夜更けに」 橘さんが立ち上がろうとしたら、 「優璃は姐さんの側にいてやれ。俺が見てくる」 「すみません柚原さん。お願いします」 「おぅ、任せておけ。チャイムは一回までだぞ。何回も鳴らして子どもたちを起こしたら許さねぇぞ」 ぶつぶつ言いながら玄関に向かった。 「奈梛が嘔吐して、熱があるみたいなんだ。うんちもいつもより緩いんだ。こども救急電話相談に電話を掛けたら、朝まで様子を見て、それでも症状が変わらないようなら、休日担当医の小児科を受診するように言われたんだが、だんだん悪くなっているような気がして。あやみだけじゃなく、奈梛にももしものことがあったらと思うと心配で、気がおかしくなりそうで。オヤジに相談したら、斉木先生がここにいるって聞いたんです。斉木先生、どうか奈梛を助けてください」 鳥飼さんの声は涙声になっていた。いてもたってもいられず起き上がろうとしたら、 「未知さん、動いてはいけませんよ」 橘さんに止められた。 「あ、でも……」 「斉木先生はあぁ見えてもれっきとした小児科医です。心配しなくても大丈夫ですよ」 橘さんがすっと立ち上がった。 「明かりを消しますね。未知さんはゆっくり休んでください。いつなんどき遥琉が布団に侵入してくるか分からないんですよ。寝れるときに少しでも寝ておかないと体力が持ちませんよ」 そう言い残し様子を見に向かった。

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