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番外編 遥琉さん、イチャイチャしている場合じゃないってば

「奈梛は俺とウーが預かるから、おめさんは家さ帰って寝っせ」 「そういう訳にはいかない」 「あやみの側につきっきりでろくすっぽ寝てねぇだろう。未知さんみたく、おめさんもぶっ倒れっちまうぞ。奈梛に寂しい思いをさせんじゃねぇ。悪いこと言わねぇから、俺の言うことを素直に聞いてくれ。明日の朝……というか、日付が変わっているから今日か。具合が悪いようなら俺が上澤先生の診療所さ連れていくから心配無用だ」 「りんりん、俺と優璃がついている」 「そうですよ。小さい子のお世話が大好きな一太と奏音くんとハルちゃんもいますよ。フーさんはあなたの帰りを待ちながら、はじめての子育てに奮闘していたんですよ。たまにはご褒美をあげたらどうですか?」 「ご褒美って何をプレゼントしたらいいんだ?」 「金をかける必要はない。フーが喜ぶものをプレゼントしたらいいんだ。例えば裸エプロンとか……」 「柚原さん」 橘さんが声を荒げた。 「冗談に決まっているだろう。添い寝してやったり、膝枕して耳掃除してやるとか、一緒に風呂に入るとか、思いっきり甘えさせてやる。それでいいんじゃないのか?」 「ありがとう柚原。あ、そうだ。奈梛の着替えと紙オムツ、持ってくれば良かった」 「ハルちゃんのお下がりがありますし、ここちゃんの服もあります。紙オムツも余分にあるので大丈夫です」 「橘、何から何までありがとう。斉木先生、ウーさん、奈梛のことお願いします」 鳥飼さんは深々と頭を下げると、何度も後ろを振り返りながらフーさんが待つ家へと急いで帰っていった。

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