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番外編 遥琉さんイチャイチャしている場合じゃあないってば

「未知、留守番を頼む」 囁くような声が聞こえてきて唇に温かく柔らかなものが触れた。 そっと押し当てられただけのような、掠めていっただけのような温かなもの。 それが彼の唇だと理解した僕は一気に真っ赤になった。 (あ………) はっとして目が覚めたものの、驚きのあまり声も出ない。じっと見つめられて頬がみるみるうちに熱くなっていった。 どうしていいのか分からずぽかーんとしていると、 「陽葵が寝ているときはとにかく寝ろよ」 にっこりと微笑んで髪をそっと撫でてくれた。 「パパ、ママ、たいへん!なやちゃんいたよ!」 遥香が興奮した様子で部屋に駆け込んできた。 「遥香、ママは具合が悪くてねんねしているんだ。陽葵が起きるまで寝せてあげよう」 「はぁ~~い」 「ママ、たいしたことないから大丈夫だよ」 「たいくんとひまちゃんとなやちゃんのおせわはハルちゃんとおにいちゃんたちにまかせて。ママはねんねしてて。ハルちゃんがおこしにくるまでおきちゃだめだよ」 遥香はエプロンを探しに来たみたいだった。 「奈梛は起きるなりママがいない。お腹が空いた。うんちが出たよ。おしっこも出たよ。服が濡れて気持ち悪いって大泣きして大騒ぎだったんだ。斉木先生とウーがてんやわんやしながら面倒をみていた」 そのときの光景が目に浮かんだみたいで、彼がぷぷっと思い出し笑いをしていた。

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