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番外編 ぽちゃぽちゃは禁句
「えぇ~~なんで?なんで?」
浴室から那和さんの驚いた声が聞こえてきた。
「柚原大変。たいくんとここちゃんが来ちゃったよ」
「来ちゃったって、たいくんとここちゃんはずっとここにいるぞ。あれ?いない」
さっきまでテレビの前でノリノリで踊っていた太惺と心望の姿が忽然と消えていた。
「あのねぱぱたん、たいくんとここちゃんのまえでぽちゃぽちゃのはなしはめだよ」
「そうだった。ごめんな、ハルちゃん」
柚原さんが立ち上がろうとしたら、
「人妻の裸を覗き見したら、ままたんにお尻ペンペンされるよ。俺が行ってくる。亜優もおいで」
中国語で亜優さんに話し掛け、手招きすると、亜優さんが嬉しそうににこにこしながら紗智さんのもとに駆け寄ってきた。
「ままたん、三人の着替えとオムツ準備しておいて。あと、部屋のなかを温めておいて」
「分かりました。行ってらっしゃい」
「はい。亜優、行くよ。朝風呂気持ちいいよ」
紗智さんが亜優さんの手をそっと握ると、兄弟仲良くお風呂に向かった。
「奈梛のお尻にはおそらくおっかさんに叩かれたんだべな。あとが残っていた。躾と暴力は違う。あやみがもしおっかさんのところから奈梛を連れ出さなかったらと思うとぞっとする。橘、何があっても奈梛をおっかさんに返しちゃなんねぇぞ。あやみみたく殺されっちまうぞ」
「まゆこさんに奈梛ちゃんを返すつもりありません。奈梛ちゃんは鳥飼さんとフーさんと一緒にいたほうが幸せになれます」
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