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番外編 双子の姉妹
彼から亡くなったあやみさんは別人だと聞かされた渡辺さん。何度も上司に掛け合い、亡くなったもうひとりのあやみさんの身元確認が行われた。顔を確認し、身体的特徴、指紋、歯科所見を調べ、奈梛ちゃんのDNAと照合した。
その結果驚くべきことが判明した。
奈梛ちゃんと実の姉妹であることが分かったのだ。
もうひとりのあやみさんの本当の名前は矢内花さん。都内の私立高校に通うごく普通の女子高生だ。一ヶ月前、学校の帰りに神隠しにあったかのように忽然と行方不明になった。
渡辺さんから連絡を受けた甲崎さんが矢内花さんの両親に事情を聞くと、ある人から赤ちゃんを買い、自分達の子どもとして出生届を出した。医者も共犯だったと重い口を開いた。嘘が娘にバレて家出したのではないか、本当の母親に会いに行き、なんらかの犯罪に巻き込まれたのではないか、警察にも本当のことが言えずずっと苦しんできたことを包み隠さず甲崎さんに話した。
偶然なのか朔久さんも同じ時期に姿を消していた。
九鬼家の屋敷は売りに出されたものの若い女の幽霊が出るとかでなかなか買い手が付かず、荒れ放題になっているみたいだった。
甲崎さんは行方不明のあやみさんと、何らかの事情を知っていると思われる誉さんの恋人のサキさんを探すため、屋敷と楮山組と神政会の組事務所と関係先に一斉にガサ入れに入ることを決断した。
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