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番外編 十七年振りの再会

「柚原さん電話が鳴ってますよ」 「全然気付かなかった。ありがとう優璃」 柚原さんがスマホを耳にあてがった。 「どうしたんだ?珍しいなきみが俺の携帯に電話を掛けてくるなんて」 はじめは普段通りの声で笑顔で話していたけど、 「そうか分かった。俺の方から鳥飼に伝えておく」 だんだんと表情が固くなっていって、電話を切るなり悲しげなため息を漏らした。 「電話の相手は、もしかして颯人さんですか?」 「あぁ、そうだ。あやみのことで憔悴しきっているりんりんに気を遣い俺に連絡を寄越した」 黒竜と石山とシェドに命を狙われている千夏さん。身の安全確保のため居場所はトップシークレット。 十七年振りの親子の対面の場所は都内としか知らされていない。これから警察が手配した車が迎えに来ることになっている。昨日の夕方、颯人さんから連絡があったみたい。 僕は寝ていたから全然気付かなかった。 「千夏は睦を一目見るなりこう言ったそうだ。あなた誰?他人がなんであたしのこと知ってんの?千夏は睦のことを綺麗さっぱり忘れていた。睦に寄り添う颯人をおそらく売人だと思ったんだろう。あたしのカラダ、いつものように好きにしていいから、縛るなり叩くなり何でもしていいから、クスリとタバコをはやくちょうだいとせがんだ。タバコは大麻入りのタバコのことだろう。クスリは違法ドラックか大麻、このどちらかだろう」

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