2080 / 4014
番外編 いっぱいおもいでつくろう
「朝からいったい何事かと思ったよ」
「ナオさんごめんね。青空さんもありがとう」
青空さんにお姫様抱っこされてナオさんも遅れて姿を現した。
「信孝がいないとき、ナオと子供たちを守るのが俺の役目だ。玄関の前で待機している。用事が終わったら声を掛けてくれ」
頭を下げるとそそくさと居間をあとにした。
「タクシー代わりに使っているからなんだか申し訳なくて」
「松葉杖で階段を登るのは大変ですからね。青空さんだってそのくらい分かりますよ」
「ナオ、松葉杖ここに置くぞ」
弓削さんが姿を見せた。グレージュ色のサマーニットに、黒パンツといったお洒落な格好だ。
「弓削さんありがとう」
「こんなのお安いご用だ。オヤジから、撮影会に混ざってこいと言われたんだ。楽しそうだな。斉木先生まで混ざっているし」
弓削さんが目を細め子供たちを見つめた。
「ゆげさん、こっちこっち」
「早く、早く!」
一太と奏音くんに手招きされ、笑顔で子供たちの輪のなかに入っていった。
ともだちにシェアしよう!

