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番外編 子どもたちの不思議な力

「こらこらふたりとも」 「姐さん止めないでいいです。思う存分好きにやらせてあげてください。たいくんとここちゃんの手の温もり、大きさ、忘れないように全部、体と胸に刻みますから。お、たいくんからチューしてもらえるとはな。嬉しいな。ここちゃんもチューしてくれるのか。ありがとうな」 太惺が弓削さんの頬に自分の頬っぺたをすりすりさせると、ちゅっと軽くキスをした。それを見た心望も、太惺の真似をして、同じようにすりすりしてから、ちゅっと軽く頬にキスをした。 「そうだ写真。撮ってもらえば良かった。悔しがる鷲崎のツラを拝めたのに。残念」 「弓削、ちゃんと撮れているぞ。ここちゃんのはピンぼけしたが、たいくんのはばっちりだ」 「さすがは心の友。柚原ありがとう」 「鷲崎にあとで送っておく。急いで現像してくるから待ってろ」 柚原さんが組事務所へ向かった。 「奈梛ちゃんどうしたの?」 じーと三人を見つめる奈梛ちゃんの視線に気付き思わず声を掛けた。 「りんりんママとフーパパにキスしても、うざいとあなたを叩いたり、お尻をつねったり、頭ごなしにガミガミと怒鳴ったりは絶対にしません。私が保証します」 「奈梛ちゃん、ままたんの言う通りだよ。鳥飼さんとフーさんの頬っぺにすりすりして、ちゅーして、ぎゅっと抱き締めたらふたりとも大喜びだよ」 奈梛ちゃんに伝わるか不安だったけどにこっと愛くるしい笑顔を見せてくれた。

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