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番外編 大事件勃発

「粗悪な拳銃や改造モデルガンにマグナム弾を装填すれば暴発する恐れがある。破片が飛び散って指が吹き飛ぶほどの威力だ。斉木先生が救急車のなかであやみの緊急処置をしながらH総合病院に搬送した。花を担当した医者があやみの顔を見るなり腰を抜かすくらい驚いていた。双子の姉がいると一切なにも聞かされていなかったんだ。そりゃあ驚くのも無理がない」 暴発した弾は、弓削さんのお腹を掠め、エレベーターの操作盤のちょうど真下に命中した。 失敗したら喉をかっ切れ。花さん同様そう命じられていたのだろう。 あやみさんは血まみれの手でナイフなんとか掴むと喉に突き立てた。 「止めろ!」 寸でのところで弓削さんと青空さんがあやみさんを取り押さえた。 「指を探せ!すぐに縫合すれば、もしかしたらまだ間に合うかも知れない。早くしろ!」 パトカーと救急車のサイレンの音が鳴り響くなか、駆け付けた彼と鞠家さんが舎弟たちにてきぱきと指示を飛ばした。 「弓削も怪我している」 青空さんが声を張り上げた。 「未知さんじゃねぇのか?」 渡辺さんはずっと僕だと思っていたみたいで、 「双子みたいにそっくりだからたまげた」 舌を巻いていた。

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