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番外編 守りたい命があるから、生き直すチャンスを与えて下さい
「とりかいさんはごはんたべて」
「なやちゃんはぼくたちがみるから」
先にご馳走さまをした一太と奏音くんが鳥飼さんに声を掛けた。
「ありがとうふたりとも。フーがいるから大丈夫……あれ?いない」
ようやくフーさんがいないことに気が付いた。
「元殺し屋同士、元凄腕のスナイパー同士、積もる話しが色々とあるみたいで、玄関の前で膝を付き合わせて話し込んでいます」
「りんりん、頼むから奈梛の前ではおっかねぇツラすんな。心配しなくてもフーは二度とスナイパーには戻らねぇよ。家族を守るためナイフを手にすることはあるかも知れないが、銃を握ることはもうない。あやみ、相楽、誉のことを柚原に聞いているんだろう。柚原が一番詳しいからな」
「オヤジ、あの」
思い詰めたような表情で座り直した鳥飼さんに、
「りんりん、新婚さんのお悩み相談は夕飯のあと、時間が許す限りじっくり聞いてやる」
不安を一掃するように笑顔で返した。
「とりさん、チンしたよ」
そこへ遥香がトレイにおかずを乗せ運んできた。
「あっちちだよ。きをつけてね」
「熱いのを持ってきてくれてありがとうハルちゃん」
「ごはん、のせて。チンしてくる」
「別に冷めていても食べれるけど、お願いしようかな」
鳥飼さんがごはん茶碗をトレイに乗せると、
「ちょっと、おまちくださいね」
遥香がにこにこしながら台所へと戻っていった。
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