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番外編 守りたい命があるから、生き直すチャンスを与えて下さい

「りんりん、姐さんの言う通りだ。よく似てるがフーじゃない。彼が緑竜かも知れない」 「緑竜だと?」 柚原さんから予想もしていなかった名前が出てきたから彼も僕も驚いた。 「あぁ。緑竜に会ったことがある亜優がそう言ってるんだ。間違いない。そして猫目の女がさきだ」 「誉は自分の女を緑竜に差し出したのか?」 「緑竜は都内にあるハプニングバーの実質的経営者だ。乱パーを店内や都内のマンションで開催していた。俺の予想だと朔久は誉に誘われ一緒に参加するようになった。そこでまゆこに出会ったんじゃないのか?まゆこにもっと刺激的なセックスをしてみないかと誘われ、誘惑に勝てずシャブを打ち、飢えた獣のように少女に襲い掛かった。正気に戻って、はじめて相手が十六歳だと知り、更にまゆこから実の娘だと告げられ愕然としたはずだ。まゆこに弱味を握られ、脅され、従うしかなかったんじゃないのかな」 「なるほどな」 「それでオヤジ、姐さんに頼みたいことがあるんですが……」 「言わなくてもだいたい予想はつく。地竜に緑竜なのか聞いてくれだろ?俺や裕貴が連絡するより未知から連絡をもらったほうが嬉しいからな」 「未知のスマホに転送しておくから、地竜にメールをしてくれないか?」 彼に頼まれ、僕で役に立つことならと大きく頷いた。 「あ、そうだ。くれぐれも会いたいなんて余計なことは言うなよ。未知のことになるとヤツも人格が変わるからな。誉の首を片手でへし折るなんぞ雑作もない。また面倒くさいことになる」 「分かった」 スマホを置いてある寝室に向かった。

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