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番外編地竜さんに隠し事は出来ない
「あの地竜さん、覃さんがこっちに向かっているとか……そんなのあり得ないか。やっぱりいいです」
ーなんで分かったんだ?ー
「え?」
当てずっぽうで言ったつもりが見事に的中してしまった。
ーどこの誰とは言わないが、死体から小指ばかり切断して、ホルマリン漬けにしてコレクションしている頭がイカれたコレクターがいる。サツは公表していないが、夢華と川合の右手の小指が現場からどういうわけかいまだに見付かっていないー
「右手の小指、ですか……」
ーどうした?ー
「あやみさんの右手の小指がいまだに見付からないんです」
地竜さんに何があったのか説明しようとしたら、
ー卯月から聞いている。青空がきみにそっくりでサツもあやみもすっかり騙されたと話していた。俺も見たかったな。青空のワンピース姿ー
「すごく可愛かったです」
ーそうか?未知のワンピース姿も可愛かったぞ。写真を毎日肌身離さず持ち歩いているんだ。朝晩、必ず一回は写真を拝んで頬にスリスリしている。仲間から冷やかされるというのもなかなか悪くないなー
「あ、あの……写真って?」
ー卯月に頼んで撮ってもらったんだ。もしかして知らなかったとかー
「今はじめて知りました」
「しまった」と地竜さんの声が聞こえてきた。
ーその話しは置いといて、朔久みたく緑竜に消される前に、そっちに潜伏している誉の口を割らせないと。おそらくもう生きてはいないと思うが、さきを探さないとなー
地竜さんが珍しく動揺していた。
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