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番外編花さんの両親
「薬物使用の疑いがあるからサツで検視をすることになった。終わり次第迎えに行ってくる」
彼が帰ってきたのはお昼過ぎだった。
疲れの色が色濃く残る彼の顔を見るのが辛かった。
「心配するな。俺は大丈夫だから」
鳥飼さんは彼やフーさんに心配を掛けまいと、気丈に振る舞っていたけど、寝不足と無理がたたり病室で突然倒れた。斉木先生がすぐに駆け付けてくれたから大事には至らなかったけど、過労と栄養失調でしばらく入院することになった。
「ほら、言わんこっちゃねぇべした」
「奈梛が待っているから入院する訳にはいかない。もう大丈夫だ」
ベットから起き上がろうとした鳥飼さんに、
「医者の言うことはちゃんと聞きっせ。おめさん、過労で死ぬぞ」
斉木先生は心を鬼にして怒った。
「花の両親があやみの遺体も一緒に引き取りたいと警察に申し出た」
「なんであやみさんが亡くなったことを知ってるの?」
「娘を迎えに福島に来ているんだ。赤ん坊のときに引き離されて、死ぬ寸前に再会を果たしたかもしれないが、双子の姉妹なのに一緒に暮らすことが叶わなかっただろう。だから同じ墓に埋葬して、あの世でふたりが幸せに暮らせるように。もう二度と離れないように。心をこめて供養をしたいそうだ」
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