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番外編花さんの両親
ハート部屋の前で子どもたちはじゃんけんをして、ケンケンパ遊びに夢中になっていた。
奈梛ちゃんは一太に抱っこしてもらい、服にぎゅっとしがみつき、目をまんまるくして眺めていた。
花さんのお父さんは奈梛ちゃんを一目見ただけで、すぐにあやみさんの妹だと気付いた。
「花の小さいころにそっくりだ。なやちゃんか。可愛いな」
目から涙が出そうになり唇を噛み締めた。
声を出して奈梛ちゃんに気付かれたらもともこうもない。
「みんな仲がいいですね。本当の兄弟みたいだ」
「オヤジと姐さんが、自分の子どもも組員の子どもも分け隔てなく可愛がり、面倒をみるから子どもたちみんな、オヤジと姐さんが大好きだ。もちろん俺たち全員姐さんが大好きだ。実際に姐さんのファンクラブだってある」
「姐さんはみんなから愛されているんですね」
鞠家さんの説明に聞き入る花さんのお父さん。なにかを決心したのか、大きく二度頷いた。
「娘が誘拐されて数日後、これがポストに入っていたんです。警察にはこのことを言ってません。はなから家出扱いで、まともに取り合ってもくれなかった。警察は信用することが出来ない。警察なんてみんな嘘つきで大嫌いだ。あ、でも、甲崎さんは別ですが」
黒のセカンドバックから厚みのある封筒を取り出すとそれを鞠家さんに差し出した。
「あなたが大嫌いな刑事だったんですよ俺」
「菱沼組には元警察官が三人いると、助けてくれた人が言ってました。困ったことがあれば、組長とその三人の元警察官に頼れと」
「また、余計なことを……」
ぼやきながらも鞠家さんはその封筒を受け取った。
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