2121 / 4014
番外編 未知、おひさ~~!
「甘ったるい香水の匂いが嫌いだと知ってる癖に。喧嘩を売っているとしか思いませんね」
橘さんが換気のためドアというドアを開けた。
「手の甲や首筋にシュッと一吹きすると、男性をその気にさせるね。へぇ~~こういう香水があるんだね」
那和さんが紙袋からピンク色の小さな箱を取り出すとじっと見つめた。
「那和さん、それは?」
「チカから紗智にプレゼントだって。ピンク色のとかコンドームとか潤滑油とかいろいろ入ってるよ。橘見る?」
「見なくていいです。子どもたちに見つかる前にさっさと紗智さんに渡してください」
紗智さんにプレゼントということはナオさんにも同じものをプレゼントしたということだ。
「ねぇ紗智。チカからプレゼントだよ。新製品だって。鞠家に今度ラブホに連れていってっておねだりしたら?」
子どもたちのいる前で大人の話しは禁句なのに……。
おっかなびっくり橘さんを見ると、目を細めて、片足でコツコツと台所の床を叩いていた。
ともだちにシェアしよう!

