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番外編 地竜さんの右腕の覃さん
俺が地竜に電話を掛けても居留守を使い絶対に出ない。未知のほうから電話を掛けてくれ。そう彼に言われ地竜さんに電話を掛けると、ワンコールで出てくれた。
今日もなにやらまわりが賑やかだ。
「地竜さん、今大丈夫ですか?」
ー未知か⁉きみから電話を掛けてくれるなんて嬉しいな。黒竜の若いのと睨み合っている真っ最中だが、大丈夫だー
「地竜さん、あれ?ない」
いつの間にかスマホが手から消えていた。
「覃のヤツ、人妻三人を追い掛け回して、しまいにはナオのことを泣かせやがった。地竜、ナオは踵の骨折がまだ完治していないんだ。ソファーに押し倒されて昔のことがフラッシュバックしてパニックを起こしかけたんだぞ。未知は手首の捻挫がまだ完治していない。俺が何を言いたいのか分かるよな?」
がみがみと頭ごなしに怒鳴るのではなく、感情を押さえ、ゆっくりとした口調で地竜さんに話し掛けた。
ー覃の上には上がいる。ヤロウの乳首フェチの変態男もいるから気を付けろー
「は?」
彼の声色が変わった。
「もう少しまともな男はいないのか?」
ー覃と、乳首フェチの男、ふたりを越える変態はいない。安心しろー
「安心しろって、安心出来る訳……」
その直後パンパンとけたたましく銃声が鳴り響いた。
「おぃ、地竜!」
彼が何度か名前を呼ぶと、
「大陸の連中は気が荒くて困る」
はぁ、はぁ、と息を切らしながら電話に出てくれた。
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