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番外編 地竜さんの右腕の覃さん

ー性癖は人それぞれだ。(タン)も、(ソン)も仲間思いで、芫やダオレンみたく組織を決して裏切らない。信用していい男たちだ。卯月……あと、頼むな……ー 「縁起の悪いことを言ってんじゃねぇ」 電話はぶちっと一方的に切れてしまい、それから何度掛けても繋がらなかった。 「ここから先は立ち入り禁止よ。ちょっと聞いてる?」 「覃、ボスに言われなかったか?」 「ボスの愛人(アイレン)愛人に挨拶しない。一番無礼だ」 チカちゃんの制止を振り切り、長身の男性が姿を現した。 年は彼と同じくらいかな? ビックリするくらいハンサムで、エリートそうで、ワイルドな色気がたまらない色男。でも、ダーリンには敵わないーーチカちゃんが言っていた通りだ。 「きみがボスの愛人か?覃《タン》沐辰《ムーチェン》だ。死神のアンダーボス補佐と、バウンティハンターをしている」 「バウンティハンター?」 聞き慣れない言葉に首を傾げると、 「バウンティハンターは法の裁きから逃げている逃亡者を捕まえるのが仕事だ。被疑者は裁判所に出頭する日を待つ間、保釈金を払って拘束を解いてもらう。被疑者が保釈金を払えない場合、保釈保証業者にそれを立て替えてもらう。被疑者が指定日に裁判所に出頭しなかった場合逃亡者となる。地竜の右腕として組織を守るのが表の仕事だ。だから、フリーランスとして保釈金保証業者と毎回契約を結んでいる」 分かりやすいように説明をしてくれた。

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