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番外編 地竜さんの右腕の覃さん
「ボスには勿体ないくらい美しいひとだとみなが噂していたから生きているうちに一度は会いたいと思っていた。噂以上に美しい。まさに大和撫子だ」
両手を掲げもたげると、間近でじっと見つめられた。
「覃、諦めろ。姐さんはオヤジと地竜以外の男には一切興味がない。口説いても無駄だ」
「そうよ。アタシの未知から離れなさい‼」
覃さんがくすっと笑った。
「なにがそんなにおかしいんだ?」
覃さんの手がすっと離れた。
「覃、その手をどうする気?お触り厳禁だよ。ボスに言われなかった?」
「言われたよ」
不敵な笑みを浮かべながら覃さんはおもむろにジャケットを脱いだ。
白いTシャツの背中にはでかでかと、未知LOVEと書かれてあって、僕の顔がプリントされてあった。
これ、いつの間に作ったんだろう。
「未知ファンクラブ会員ナンバー10番だ。いいだろう。ちなみに宋《ソン》浩宇《ハオユー》は11番だ」
呆気に取られる僕や蜂谷さんやチカちゃん、それに橘さんを尻目に覃さんは、してやったりと言わんばかりにご満悦の様子だった。
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