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番外編 久弥さんが危ない!
「新入りに対する洗礼だ。どっかの組みたくテキーラを一気飲みしろ、裸踊りしろって訳いうじゃないんだ。その辺りは譲治が一番よく分かっているよ」
彼が何かに気付き、
「よりによってなんでこのタイミングで来たんだ。さっさと帰れ」
声を荒げた。彼の視線の先にいたのは久弥さんだった。ナオさんの家に届けるお弁当を取りに来たみたいだった。
覃さんの視線が久弥さんのお尻に注がれた。
「嬉しいな。ジョーから会いに来てくれるなんて」
しかも久弥さんを譲治さんだと思い込んでいる。
「なかなかいい尻をしている。形も悪くない」
獲物を目の前にして舌舐めずりする肉食獣の眼に変わった。
久弥さんをなんとしてでも守らなきゃ。体が自然と動いた。
「覃さん待って下さい。久弥さんもお触り禁止なんです。だからお願いです。それ以上近付かないで下さい」
久弥さんの前に立ち両手を広げた。
「え?何?どうしたの未知?」
突然のことに狼狽える久弥さん。
「蜂谷さんと鞠家さんから連絡があったはずですよ。お尻をつけ狙う不埒な輩がいるから注意しろと」
「あっ、思い出した。もしかして彼が?」
「そうです」
「すっかり忘れていた。ごめんなさい」
久弥さんが慌てて手でお尻を隠した。
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