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番外編 久弥さんが危ない!
「一回くらい揉ませてくれてもいいだろう。別に減るものじゃないし」
「覃さん、久弥さんは……」
「ん?ボスもそれと同じものを身に付けているな」
翡翠の腕輪に気付いた覃さん。まだ痛みが残る右手を大きな手で掴まれ、
「痛い」
思わず声を上げると、彼が立ち上がるより先にウーさんと柚原さんがすっ飛んできた。
「アップ、メ。○✕△○✕!」
目を吊り上げ早口で捲し立てた。
「覃、立入禁止にされたくなかったら組事務所に戻れ」
柚原さんが覃さんを睨み付け、憤然とした面持ちで答えた。
「なんだ柚原も中国語が話せるのか?それならそうと早く言ってくれ」
「昔、チャイニーズタウンのなかにある飲食店でアルバイトをしていたんだ。アルバイト仲間に中国からの留学生がいて、独学で勉強した」
「へぇ~~なるほどな」
「覃、飯抜きにされたくなかったら、速やかにその手を離せ。そして姐さんに謝れ」
「謝ったらジョーに会わせてくれるのか?」
「約束する。男に二言はない」
ニヤリと口角を上げて笑うと、悪いな。すっと手を離してくれた。
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