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番外編 久弥さんと森崎さん
「ミルク多めのカフェオレです。どうぞ」
「お、気が利くんじゃねぇか。ありがとうな」
「サンキュ、未知」
三人の前にマグカップを置いた。
「それってもしかして」
チカちゃんがスマホで見ていたのはクッキー缶だった。
「ダーリンから送信されてきたの。被害に遭った女性たちの証言からこのサイトを見つけ出したみたいよ。大手の通販サイトとまったく瓜二つなんだけど、実はこれ偽サイトなの。見分ける方法は不自然な日本語表記と、価格が極端に安い、普通じゃ絶対にあり得ない80%offとか極端な値引きをしているところよ」
チカちゃんの説明によると、例のダイエットサプリの販売元の会社は実在する大手の通販サイトでも発売されているので詐欺ではないと、このサイトの画面を見せて顧客を信用させていた。
「元々の値段が一万。それを初回限定送料込みのニ千円。いかにも胡散臭いのに、これさえ飲めば簡単に、運動をしなくても楽して痩せられると言われれば、いとも簡単にころっと騙されてしまう。体重を気にする女性の敵よ。このクッキー缶も送料込みで千円ポッキリよ。大麻入りクッキーだなんて誰も気付かないわよ。一度手を出したら最後。地獄行きよ」
スマホを操作していた久弥さんがあれ?と声を上げて首を傾げた。
「どうした?」
「こんな写真いつの間に撮ったのかな」
彼とチカちゃんにその写真を見せた。
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