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番外編 久弥さんと森崎さん

「橘さん、もしかして国井さん、本当に来たんですか?」 「新婚ですからね。愛する妻のお尻を虎視眈々と狙う不埒な男がいると聞いて心配でいてもたってもいられず、仕事を最速最短で終わらせて来たみたいですよ。宋さんもどうやら県内の介護施設に潜入していらっしゃるみたいですし」 「は?」 寝耳に水だったのか彼が両眉を上げた。 「どこにいるかまでは教えてもらえませんでしたが、案外近くにいるかも知れません」 「取り扱い要注意人物がまたひとり増えるのか」 ほとほと困り果ててしまいには頭を抱えてしまった。 「橘さん、宋さんって?」 「乳首フェチの変態らしい。いいか久弥、自分の尻と胸はなんとしてでも死守しろ。森崎以外に触らせるな。服で隠れている部分は大事なところだって、普通の人間ならたいてい分かるはずなんだが、どうやら覃と宋には常識ってもんが通用しないみたいだ。ま、何かあったら、俺や森崎やまわりにいるみんなに助けてって言えばいい。遠慮するな」 「はい、卯月さん」 何気に森崎さんと目があった久弥さん。真っ赤になり俯いた。

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