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番外編 国井さんVS.覃さん
「森崎、鼻の下が伸びてるぞ」
「断じて伸びてませんよ」
「そうか?なら、なんでそんなに汗をかいているんだ?」
彼の鋭い突っ込みにたじたじになる森崎さん。
「なんだかんだといって相思相愛じゃねぇか。な、久弥」
「は、はい……」
蚊の鳴くような声で答えると、久弥さんの顔はますます赤くなってしまった。
それから十分後。
「卯月、ヤツがここにいるって本当か?」
白シャツの上にジャケットというラフな格好の国井さんが鼻息を荒くして姿を見せた。
「どうしたんだその髪⁉」
彼も森崎さんもみんな国井さんの髪を見て驚いた。
「もともと薄毛で悩んでいたのに、誰かさんのせいで円形脱毛症になったんだ。だから丸刈りしたんだ」
「誰かって誰だ?」
「ひとりしかいないだろう。俺らを差し置いて先に未知ファンクラブに入りやがって。しかも新参者の癖に会員ナンバー10だぞ。ふざけるな」
会員ナンバー10といったら覃さんだ。
「国井の部下を手当たり次第捕まえて、尻を揉むだけでは飽き足らず、舐め回したりとセクハラ行為をして、先輩俺デカ辞めます、転属願いを出します、とでも言われたか?今の若い子はみんなシャイだからな」
「なんで分かったんだ」
「同じことをここでもしていた。チカだけでなくナオも紗智も那和も被害者だ」
「は?」
国井さんの顔色がガラリと変わった。
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