2145 / 4015

番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ

「お兄ちゃん、ごめんなさい」 ー謝るのはなしだ。いつもそう言ってるだろう。俺はあの日、ふたりの天使に出会ったんだ。遥琉より先に、きみと一太に会えたんだ。このことは一生誰にも言うつもりはなかった。心のなかに留めておくつもりだったんだ。一週間前だ。スマホがないことに気付き家のなかを探したら、優真が俺のスマホを弄ってて、そのとき偶然あの写真を見付けてな、心にバレてしまった。それから心と千里と笹原にめちゃくちゃ怒られたんだ。みんな未知のことになると人が変わるからな。怖いんだよ。ま、怖いのは俺もだけどなー お兄ちゃん、照れてるのかな? ごほん、わざとらしく咳払いをした。 ーぶっちゃけ親父から那奈に両性の弟がいると聞かされたときは驚いた。その日は四月一日。エイプリルフールだろ?てっきり嘘だと思ったんだ。写真を見せられてようやく信じることが出来た。でも親父はそれ以上のことをなぜか教えてくれなかった。だから調べた。真実を知り俺は愕然となった。怒りに震えた。きみは尊と青空の幸せを一番に考え許した。でも俺は一生尊を許す気はないー

ともだちにシェアしよう!