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番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ
ー相変わらずそっちは賑やかだなー
「チカだけでなく国井まで来やがった。それと覃も。裕貴は宋という男に会ったことはあるのか?」
ーあぁ、一度だけ。横顔をちらっと見ただけだがな。見た目はどこにでもいるごく普通の青年だったぞ。人懐こくて、いつもにこにこ笑っていて、施設ではおばさまたちのアイドルをしているらしい。覃と同じ中国人だと言っていたが、本当は日本人かも知れないー
「もしそれが事実だとして、炎竜同様宋も日本人であることを隠さなきゃならない込み入った事情があるんだろうな」
ーそうかも知れないなー
お兄ちゃんとしばらく話しをしてから電話を切った。
陽葵、チカちゃんと国井さんが来てるから挨拶しに行こうね
横に抱っこし居間に戻った。
「………」
目の前に広がる光景に面喰らってぽかんとした。
みんなあのTシャツに着替えて、和やかなムードで談笑していた。
チカちゃんも森崎さんも久弥さんも。紗智さんも那和さんも。それだけじゃない。橘さんまでがお揃いのTシャツに身を包んでいたから驚いた。
「橘、お前だけは国井に誘われても絶対に断ると思っていたぞ」
「あらそうですか?私も未知さんが大好きですからね、着ない手はありません。それに私だけが仲間外れは嫌ですし」
ちょうどそこへ一太と奏音くんが小学校から帰ってきた。
「ママがいっぱいいる」
「未知さんだらけだ」
ランドセルを背負ったまま唖然としてしばらく立ち尽くしていた。
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