2150 / 4015

番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ

「モテモテでチカに焼きもちを妬かれそうだ」 太惺と心望がキャキャとはしゃぎながら国井さんの後を追い掛けてきた。 国井さんは後ろ向きで、子供たちの歩調に合わせてゆっくりと歩いてくれた。万一転んでもすぐに抱き上げられるように両手を差し出してくれていた。 「森崎さん、ふたりを録画して鷲崎さんに送ってあげたらどうですか?泣いて喜びますよ」 「それもそうだな。オヤジはたいくんラブで、姐さんはここちゃんラブだ」 橘さんに言われてふたりの撮影をはじめた。 「さっきからずっとスマホを気にしているようだが、何かあったのか?」 「例のサプリメントの鑑定結果が出たみたい。運動をしなくても楽して痩せてキレイになる。そんな夢のようなサプリメントなんてある訳ないじゃん。上手い話しには絶対に裏がある。あのサプリメントは大麻入りだったわ。多量に摂取すると幻覚症状を起こしたり、最悪の場合、意識が吹っ飛ぶ」 「緑竜と誉と朔久がしたことは許されることじゃない。チカ、誉を逮捕し、絶対に立件しろよ。逃げ得だけは許すなよ」 「分かってるって。ダーリンも同じ気持ちだから安心して」 チカちゃんがまゆこさんに関するある情報を小耳に挟んだと彼に話してくれた。 「ひかりのみこ?」 「シェドの男性信者のなかにはまゆこを神として崇めている連中がいる。しかも揃いも揃って若くてイケメン揃い。まゆこは彼らを連れて新たな宗教団体を立ち上げたみたいよ」

ともだちにシェアしよう!