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番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ
「未知さんが愛想を尽かす前に、舎弟たちが愛想を尽かして出ていきますよ。国井さん、覃さんが戻ってきたみたいですよ」
「本当か」
国井さんが急に立ち止まったものだから、太惺と心望がバランスを崩してしまい、畳の上に尻餅をついて倒れた。誰もが泣くと思ったけど、当のふたりは何が起こったのか分からずしばらくの間きょとんとしたあと、両手をパチパチと叩きながらキャキャと声を出して笑い出した。
「おじちゃん、肝を冷やしたぞ。痛いところはないか?」
国井さんが慌ててふたりに駆け寄ると、
ーく~~に~~い~~てめぇー ー
森崎さんのスマホから鷲崎さんのドスのきいた声が聞こえてきたものだからどきっとした。
「鷲崎さん、あんよをはじめたばかりの赤ちゃんはうまくあんよが出来ません。バランスを崩してよく転びます。尻餅をついたぐらいでは怪我をしませんよ。もし痛かったらたいくんもここちゃんも泣いて教えてくれるので、心配しなくても大丈夫ですよ」
ーそうなのか?ー
「そうですよ」
橘さんと鷲崎さんの噛み合わない会話を聞いていた彼が、
「鷲崎の親バカ振りは龍成の上を行くかもな」
ぼそりと呟いた。それを聞いていた橘さんが、
「私は遥琉が一番の親バカで、一番の焼きもち妬きだと思いますよ」
これにはさすがの彼も反論することが出来なかったみたい。
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