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番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ
「カレーの匂いが階段までしてたよ」
「お腹空いた」
紗智さんと那和さんと手を繋ぎ遥香が帰ってきた。
国井さんの姿を一目見るなりチカちゃん、固まってしまった。
「どうせ似合わないってだろ?」
「違う。すっごく、ダーリンがカッコいいから見惚れてたの」
「本当か?」
国井さんに顔を覗き込まれ、頬を染めながら小さく頷くチカちゃん。
国井さんは片手で今にも折れそうなチカちゃんの細い腰を抱き寄せると、もう片方の手でスイと頤を掬いあげ顔を近付けた。
「おい、そこ。子どもたちの前でイチャつくな。チューをするなら飯食って風呂に入ってからにしろ」
彼が何気に台所から廊下に目をやると、
鞠家さんも紗智さんを抱き締めて人目はばからずキスを交わしていた。紗智さんの腕に抱っこされている心望は目を丸くしてふたりをじっーと凝視していた。
「俺も人のことを言えるないが、あっちもこっちも盛りのついた猫みたいだな」
カレーを頬張りながら覃さんが苦笑いを浮かべた。
「新婚夫婦ばかりだからな。たいがいのことは目を瞑ることにしているだが、子どもたちの前で深いキスをしたり、肌を見せ合う行為はするなとは言い聞かせている。するなら外でやれって」
「ちゃんと言いつけを守っているからえらいな。そういえば紫竜ら黒竜の幹部の間で奇妙な病が流行っていることを知ってるか?」
「奇妙な病?」
「性病の一種じゃないかとボスが」
「性病だと?」
彼が身を乗り出した。
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