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番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ

「それってもしかしてモーグイの呪いのことか?一時ネットをざわつかせた」 「情報統制厳しい。規制がかかった」 「遥琉さん、モーグイの呪いって?」 「あとで説明する。それよりも先に飯を食べろ。陽葵が寝ている時くらいしかゆっくり食べられないんだから」 「ありがとう遥琉さん」 一太がよそって運んできてくれたカレーを食べようとしたら、 「なんだそれしか食わないのか?」 彼が自分のご飯とカレーのルーをこれでもかと僕のに乗せた。 あまりの量に唖然としていたら、 「誰とはいわないが、未知を溺愛するふたりから、ちゃんと食わせているのか?また痩せたんじゃないか?ちゃんと飯くらい食わせろって、ほぼ毎日のようにメールが来るんだよ」 お兄ちゃんと笹原さんだ。 「あとな、笹原の下の名前、蒼生っていうんだが、笹原も未知にお兄ちゃんって呼んでもらいたくてうずうずしているみたいだ。笹原は俺の弟だ。他人じゃない。無理にとは言わないが、蒼生《あおい》お兄ちゃんって呼んだらきっと喜ぶ」 あおいお兄ちゃんって呼ぶの、なんか恥ずかしい。ずっと笹原さんだったから尚更だ。 「試しに一回練習してみたら?」 彼がカレーをスプーンで掬って食べさせてくれた。 「今さら恥ずかしがってどうする?」 「うん、分かった」 ごくんとご飯を飲み込んでから、 「あおい……お兄ちゃん」 勇気を出して呼んでみた。

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