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番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ
「顔を貸せ。話しがある」
国井さんが頃合いを見図り覃さんに声を掛けた。
「なんだまたいたのか」
「お前に心配されなくても明日の始発で帰る。ここじゃあれだ。事務所に行こう。卯月、悪いが付き合ってくれ」
「そろそろ子どもたちが風呂から一斉に上がってくる。三十分だけ待ってくれ」
「橘とチカがいるし、紗智と那和もいるから大丈夫だ。たまには旦那抜きで息抜きも必要だ。積もる話もあるだろう。卯月は相変わらず女心に疎いな」
「わ、悪かったな」
耳の痛いことを言われバツが悪そうに顔をしかめた。
「覃、日本にはかかあ天下という言葉があるんだ。暇なときに意味を調べてみろ。俺や笹原みたくお前もいつかジョーの尻に敷かれたくなるはすだ。子どもたちが風呂から上がってくる前に移動するぞ」
国井さんが彼と覃さんをあっという間に連れて行ってしまった。
「裸族はきっとハルくんとノブくんに似たのね」
裸で家の中を逃げ回る太惺と晴くんと未来くんにチカちゃんが笑っていた。
「柚原ひとりで子ども全員お風呂に入れているんでしょう?すごいなー。アタシには真似出来ないよ」
「うちの晴と未来もままたんとぱぱたんが大好きなんだ。ナオの足が良くなったら家に帰らないといけないんだが、もうすでに帰りたくないと駄々を捏ねている」
「ふたりに子どもたちを預けておけば安心だもんね。ナオといつでもイチャイチャ出来るもんね。いいなぁ~~倦怠期もなく朝っぱらからラブラブモード全開で」
「チ、チカ!」
信孝さんが顔を真っ赤にし、珍しく動揺していた。
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