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番外編 桜舞う日、俺は天使に出会ったんだ
返答がなくて、もしもしと何度か呼び掛けると、
ーダーリン、いつまでそうやって黙ってるつもりー
千里お姉ちゃんの声が聞こえてきた。
ー俺も未知と喋りたいって、ついさっきまで散々騒いでたのにね。恥ずかしいみたいよー
千里お姉ちゃんがくすくすと笑った。
「あ、あの……千里お姉ちゃん、蒼生お兄ちゃん」
ガチガチに緊張したけど、ありったけの勇気を振り絞ってふたりに声を掛けた。しばらくすると啜り泣く声が電話越しに聞こえてきた。
ーアタシの代わりに未知をぎゅーっと抱き締めてくれない?今すぐにでもそっちに飛んで行って未知を抱き締めたいけど、それが出来ないからお願いー
「千里ちょっと待ってくれない?ひまちゃん寝かし付けないといけないから」
ーその声はチカだよね?もしかして遥琉、そこにいないの?ー
「うちのダーリンと覃と三人で仲良く組事務所に泊まるって。滅多に会えないんだ。一泊くらいいだろうって、ダーリンがハルくんを説得してくれたんだ」
ー良かったじゃんー
「うん。渋々だけど未知を貸してくれた。紗智と那和も一緒よ」
ーじゃあ、朝までリモート女子会が出来るわね。たまには旦那抜きで盛り上がるわよー
千里お姉ちゃんの声が一層弾んだ。
蒼生お兄ちゃんがぼそぼそと何やら小声で呟いていた。
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