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番外編 じっち会

「これからじっち会があるんだ」 「じっち会って?」 「ママ友会とか女子会とか色々あるだろう。じい様の集まりだからじっち会だ。じっちとは福島弁でじい様のことみたいだ。たまには新婚夫婦の惚気話でも聞いてやろうと思ってな」 お祖父ちゃんと根岸さんと伊澤さんがまだ仕事が終わらないみたいで、終わるまでここで待つことにしたお義父さん。 「ママ、じぃじのこえしなかった?」 一太がひょこり顔を出した。 「やっぱりじぃじだ!」 驚いた一太の声に子どもたちが次から次に集まってきた。 「なんだ鷲崎、まだ帰ってなかったのか?」 太惺を抱っこした鷲崎さんが奥から現れたものだから、お義父さんが目を丸くした。 「たいくんと男の約束をしたんだ。風呂に一緒に入って一緒に寝るってな」 「カミさんに焼きもちを妬かれても知らねぇぞ」 「そのくらいで七海は焼きもちを妬かねぇよ」 鷲崎さんは上機嫌だった。 「えぇ~~もうかえっちゃうの?」 「やだ、もっとあそびたい」 つぶらな瞳をうるうるさせながらお義父さんを見つめる子どもたち。 「明日また遊びに来る。夕方までいっぱい遊ぼうな」 「やった!」 ぴょんぴょんと跳ねる子どもたちを目を細めて眺めるお義父さん。明日が楽しみで興奮して寝れないかも。今日が土曜日で良かった。 お義父さんがじっち会に出掛けて、彼が入れ違いに帰ってきた。 「お帰りなさい。疲れたでしょう」 「あぁ、疲れた。少し横になる」 ネクタイを緩めると上着を脱いで、そのまま布団の上にごろんと横になった。

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